岸田國士「『赤鬼』の作者阪中正夫君」(1935年)

2016/4/5 タイトルに赤鬼とあるけど、実際はほぼ作家論。 阪中正夫(さかなかまさお)のことは知らなかったけど、評価されている。 何冊か出版されているそうだけど、読んだことがない。 ・リリシズムに出発し、現実の解剖に進んだ優れた作家の一人で天性の芸術家。 ・利害の心理の結果生じる凄惨な条件を冷ややかな微笑をもって描いている。 ・困難な戯曲の形式に挑んで…

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菊池寛『青木の出京』

2016/4/8 雄吉が若いころ心酔していた「青木」が想像を絶するダメ人間だったという話。 ダメ人間ぶりがある段階を超えてしまうと、どんなに馬脚を現しても、心酔している側が勝手に理屈をコネてフォローを始める。 結果、自分がひどい目にあったとしても、フォローしている自分に酔える。 読んでいると「雄吉、早く目を覚まして!」と何度も思うけど、なかなか彼は目を覚まさない。 …

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岸田國士『「明るい文学」について』(1927年)

2016/4/3 甲乙の対談形式で表す文学論。 対談は菊池寛の発明と聞いたけど、この文章はそのあとに書かれたんだろうか。 文学における「明るい=軽い」「暗い=深い」という今でも良く聞きそうな一般論を採りあげている。 「明るい文学」は、文学と言えるのかどうかという問題。 甲の「(読者は)文学の中に人生そのものよりも、人生を観てゐる作者の眼を探すのだ。」という指摘がおも…

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岸田國士『戯曲講座』(1932年)

2016/3/16 岸田国士が明治大学で戯曲講座を受け持つことになったとき文章。 自分自身、戯曲の書き方は誰にも習った覚えが無いとしつつ「戯曲並びに戯曲創作について知り又は感ずることを述べよ」という注文にならできなくはないと思うそうだ。 知ってることや感じることを語るだけなら、今の時代誰にでもできるだろうけど、岸田国士が何か言うなら興味ある。 「劇的感覚の訓練」には「名優…

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