菊池寛『形』(1957年)

2016/5/26
豪傑として名高い中村新兵衛が、普段戦場で身に着けている猩々緋の毛織物や唐兜を人に貸したとたん、討ち取られる話。
悲劇だし喜劇でもある。
本当の自分とは何かという哲学的な問いでもあって芥川の『鼻』や『ひょっとこ』にも通じている。
大衆論としての風刺も効いている。
ごく短い話にとにかく詰め込んでいる。
巧みすぎる。
色んなシチュエーションに置き換えが出来そうだけど、実際やろうとすると難しい。
戦国時代の武将がベストの題材なんだと思う。
うまく換骨奪胎できれば、コメディの種にもなりそう。
単なる入れ替わりもののコメディ以上の展開が作れるかもしれない。
現代劇に置き換えるとどういう設定になるんだろうと考えると、時間があっという間になくなってしまう。
青空文庫:『形』

この記事へのコメント