菊池寛『義民甚兵衛』(戯曲)

2016/6/10
母親や兄弟たちから虐げられている甚兵衛が、一揆騒動を経て結果的に復讐を果たす話。
「聖なる愚者」が悪人を懲らしめる型の話は、古今東西、いろいろありそう。
過程の組み立て方が巧みで結果が悲惨。
家族を磔にし、甚兵衛が高笑いして終わるえげつないラストで、ありがちな話に見せ場を作っている。
高笑いする人物と、それを讃える人々という構図は一幕のラストと同じ。
愚かな甚兵衛自身は意識していなくても、作品としてはしっかりとした復讐の物語になっている。
狂気や非日常を描く意図で上演すればそれなりに緊張感のある演劇にもなりそう。
悪人サイドにうまい役者さんをそろえたい。
ただ、WEB上では、最近の上演記録が見当たらない。
善悪きっちり分けられているぶん、浅いと言えば浅いので、上演までの意欲はわきにくいのかもしれない。

青空文庫:『義民甚兵衛』(戯曲)

※今のところ、WEB上で初出見つけられず。

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