菊池寛『世評(一幕二場) A morality』

2016/6/16
都知事の騒動を見て思い出した作品。
舞台はアラビア風の都市。
一場は、老人の妻となり奴隷同然に扱われる美女に同情する人々。
二場は老人の死後、若い男と再婚した美女が気に食わず、投石で子供もろとも殺す人々。
同じ女性、同じ大衆でも、やってることが正反対という話。
原則として、戯曲は演劇にする前提で書かれるものだけど、この戯曲を上演してもあまり面白くないと思う。
ただ、読むと皮肉が効いていて面白い。
一直線に面白さを描いていて、小説にするとかえってまわりくどくなってしまいそう。
もともと戯曲は演劇の設計図だとすると、現実の構造だけ取り出して示すには、戯曲という形式は意外と向いているのかもしれない。
レーゼドラマという言葉もあるくらいだし。
ロシアのジャーナリストが『石棺』を描いたことにもつながる。

青空文庫:世評(一幕二場) A morality

※初出年次不明。

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