菊池寛『奉行と人相学』(1948年)

2016/6/23
大岡越前守が人相見がうまくなったばかりに、犯人に先入観を持つことを恐れる話。
初出は1948年「新今昔物語」らしい。
この年、菊池は亡くなっている。
晩年の作品は淡白すぎて面白いものが少ない印象。
そのなかで、なんだかとぼけた味わいがある。
『易と人相』では、人相見は信用しないはずだったが、どういう心境の変化があったんだろう。
大岡越前が下手人の手相なんか見られないだろうから、手相と同じ「体についている」つながりで人相見にしたんだと思われる。
善行に繋がる悪行がやめられない男というのも業が深い。
どっちなんだと思っても、衝動なんだから、考えるだけ無駄。
ここで語られる大岡越前も超人には違いないんだけど、超人の人間らしさが描かれているところがよかった。

青空文庫:奉行と人相学
青空文庫:易と手相
過去記事:菊池寛『易と手相』

この記事へのコメント