菊池寛『父帰る』(1917年)

2017/1/24
放蕩親父が20年ぶちに自宅に帰ってくるが、成長した長男に追い返される話。
菊池寛の代表作。
初演時には古典になると言われた作品だけど、今ではほとんど上演されることはない。
最初に読んだのは大学生の頃。
情緒的過ぎてピンとこなかった。
あらためて読んでみると、おそろしくテンポが速く、必要な情報をキチキチに詰め込んで、演劇の根本的なテーマ、人生の最も劇的な部分を切り取っている。
わずかな時間の中で、主人公・賢一郎の世界の見え方がガラリと変わる。
そう考えると、逆に今風なのかも。
強い目的の成就と身の破滅と同時に現れるのは、木下順二の言う「劇的」の基本構造。
最後は兄が情に負けて父を呼び戻そうとするところで終わる。
個人的には、姿が見えないところで、父親は死んでいると解釈しているけど強引かもしれない。

青空文庫:父帰る

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