菊池寛『藤十郎の恋』(戯曲・1919年初演)

2016/6/16 小説は1919年4月大阪毎日新聞。 同年10月に大阪難波座で初演だそうだ。→世界大百科事典 第2版「藤十郎の恋」 小説に比べると追い詰められ方が足りないので、藤十郎がずいぶん勝手に見える。 読むだけだと、あっさりしすぎていて、相対的にお梶の貞淑さも弱くなっている。 結果、死ぬほどのことかと思ってしまう。 力のある役者さんがきちんとやれば、説得力が出るんだろうか。 …

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菊池寛『世評(一幕二場) A morality』

2016/6/16 都知事の騒動を見て思い出した作品。 舞台はアラビア風の都市。 一場は、老人の妻となり奴隷同然に扱われる美女に同情する人々。 二場は老人の死後、若い男と再婚した美女が気に食わず、投石で子供もろとも殺す人々。 同じ女性、同じ大衆でも、やってることが正反対という話。 原則として、戯曲は演劇にする前提で書かれるものだけど、この戯曲を上演してもあまり面白くないと思う。 た…

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菊池寛『藤十郎の恋』(小説・1919年)

2016/6/14 『ある恋の話』から役者つながりで選択。 坂田藤十郎が演技の工夫のため、人妻を口説き落とす話。 芸のためなら手段を選ばない藤十郎の非情さを描いた話だと思っていた。 読み返すと、思っていたより、そうせざるを得ない追い詰められた状況だったということがわかる。 ところで、菊池寛は意思と行動のギャップを描いた話が印象的。 『身投げ救助業』しかり『首縊り上人』しかり。『仇討禁…

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