菊池寛『ある恋の話』(1918年)

2016/6/12 菊池寛が妻の祖母から聞いた話。 身売り同然で嫁いだのち、離縁。 多額の子供の養育料を貰ったが、男性不審から再婚をせず、子供と二人暮らしをする。 そのころ、唯一男性に恋をしたときの話。 その男性はで染之助という人気のない役者。 自分だけが魅力を感じているところ、舞台をおりたオフモードの染之助を見て冷めるところ、ちゃんと「恋」の始まりと終わりを描いた物語になっている。…

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菊池寛『易と手相』

2016/6/11 菊池寛が三十くらいの頃に手相を見てもらった話。 この文章は後日書かれているが、初出がはっきりしない。1920年代くらいか。 菊池によると、そのときの占いが当たっていたので、手相占いは割合信用できるそうだ。 同行していた芥川は、「むろん諸君も想像する通り」観てもらわなかった。 芥川が占いの類を信用しそうにもないということは、当時の読者にも共有されていた感覚だったという…

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菊池寛『義民甚兵衛』(戯曲)

2016/6/10 母親や兄弟たちから虐げられている甚兵衛が、一揆騒動を経て結果的に復讐を果たす話。 「聖なる愚者」が悪人を懲らしめる型の話は、古今東西、いろいろありそう。 過程の組み立て方が巧みで結果が悲惨。 家族を磔にし、甚兵衛が高笑いして終わるえげつないラストで、ありがちな話に見せ場を作っている。 高笑いする人物と、それを讃える人々という構図は一幕のラストと同じ。 愚かな甚兵衛…

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